傍聴者の感想

SLAPP訴訟を起こされたのが2009年12月。約4年半の年月が経った2014年6月から、弁護士や裁判官、原告の中電側の尋問を受けて事実を証言する、証人尋問という裁判の中でとても重要な場面に入りました。

清水敏保、橋本久男、原浩司、岡田和樹の4人が受けた証人尋問の様子を傍聴していた方の感想や意見を届けてもらいました。個々の視点が入から見た裁判レポートです。


「中国電力4800万円損害賠償請求訴訟を傍聴してきました」

(2015年6月10日)
 
◆裁判傍聴バスツアー?!いいね!
 今日は本人尋問があるということで、尾道発のバスに乗って山口地方裁判所へ行ってきました。満員の傍聴希望者を乗せて、大型バスは尾道~三原~山口へ。それはそれはにぎやかで充実したバスの旅でした。
 車内では愉快な自己紹介が続き、映画「祝福の海」のダイジェスト版も上映されました。この映画は、カヤック隊として抗議行動に参加したフリージャーナリストの東条雅之さんが監督する現在製作中の映画で、上関原発建設への抗議行動と祝島の美しい自然と暮らしが描かれ、裁判に向けて良い予習ができました。
 岡田君からは裁判の経過説明がありました。この裁判はもう5年あまりも続き、中国電力が提出した証拠に誤りが多く、それを修正する事に多くの時間を割いて来たそうで、4人のご苦労が本当に忍ばれました。
 はじめに県庁に到着しました。現在、上関原発は福島第1原発事故のために建設作業が一切止まっていますが、中国電力はあきらめずに、埋め立て許可の3年間延長を山口県に申請しています。福島の事故を踏まえて、県民を守るため、上関原発建設を許さないよう、中電の要望に応えないよう、建物前で私たちの思いを伝えました。
 この日は下関朝鮮学校の保護者と支援者も県の補助金の突然の打ち切りに抗議するサイレンスピーチを行っていました。原発は都会の電力のために地方が大金を積まれて故郷を売り渡したり、原発労働者の賃金がいくつもの中間業者に搾取されたり、ずさんな放射線管理のために健康被害が補償されないなど様々な差別構造を持っています。どちらも根深い「差別」に対して抗議していこうと応援し合いました。
 
◆ 抗議って何だ?妨害って何だ?
 県への抗議行動を終えて、いよいよ山口地裁へ。すでに傍聴券を求めて地元の方々が集まっていました。いつもは室内で整理券を配布するのですが、傍聴希望者が多すぎて、この日は駐車場に並んでの配布となりました。その数196人。
 抽選で40人ほどが選ばれ、裁判が始まりました。前半は祝島の清水さんが、後半はシーカヤッカーの原さんが、それぞれ被告側の弁護士さんからの質問に答え、次に中電の代理人(弁護士さん)からの質問に答えます。長い裁判だったのですべてをお伝えできませんが、印象的だった場面をかいつまんでお知らせします。被告弁護人は例えばこんな質問をしました。(発言は大意で、紙面の都合上省略している部分もあります。)
 
 被告弁護人:「原さんのお仕事は何ですか?」
 原さん  :「カヤックで瀬戸内の海をツアーするガイドなどをしています。」
 被告弁護人:「どんな所でカヤックに乗ってきましたか?」
 原さん  :「アラスカ、アマゾン、ユーコン川、(もっと続く)」
 
 すでに肩書きも経験も分かっているはずなのに、なんでこんな事を改めて聞くのかな?と裁判に無知な私は思いました。質問は続きます。
 
 被告弁護人:「なぜ瀬戸内の海を仕事場にしようと思ったのですか?」
 
 原さんは、世界中の貴重な自然の残る海や川を知り、生まれ故郷に帰って来て、予定地周辺の瀬戸内のすばらしさを再認識したからだと答えました。
 一見、個人の感想のようですが、瀬戸内の自然が世界でも無比の自然と同じくすばらしいといえるのは、原さんの経験があってこそ。予定地の自然がいかに貴重か客観的に語られているなあ…と感心しました。主観的な思いを客観的な言葉で事実に変えて積み重ねて争うのが裁判なのだ〜と私なりに理解できました。
 なので、「もし○○だったら○○しますか?」のような仮定の質問は事実とは違うのでふさわしくないようです。中電は、4人が一緒に企んで作業妨害をしたと訴えているので、そういう相談や企みがあった事を二人の答えから引き出そうとします。けれど、もともと上関原発埋め立てに対する抗議行動は一人ひとりがその時に判断して、非暴力で行ったものなので、企んだというような答えを出しようがないのです。あせったのか、中電は質問していくうちに仮定の質問をして被告弁護人から誘導尋問だと抗議を受けたりしました。また、証拠写真を指してこんな質問も。
 
中電代理人:「この写真を見ると、夜になっているようですが?」
原さん  :「そうです」
中電代理人:「朝から夜までずっとここにいたわけですね。」
 
昼夜に渡って妨害活動をした証拠だと言いたいようでした。しかし、原さんはこう答えます。
 
原さん  :「作業員と私たちの間に入った警察が中電職員を呼べと言ったので、作業員が中電に電話をしたが、待てど暮らせど、とうとう職員は現れなかった。結果一日中ここにいる事になりました。」
 
中電代理人:「漁協には、埋め立て作業を行うからこの海域では注意してくださいとお知らせを出しましたよ。この文章からはこの海域には入ってはいけないと読み取れると思いますが?」
原さん  :「入ってはいけないとはどこにも書いていない。読み取れない」
傍聴人  :「読めないよねえ」
裁判長  :「傍聴人は発言しないでください!」
原さん  :「じゃあこの時、……」
中電代理人:「質問に答えてください!今は意見を言うときではありませんよ!」
原さん  :(構わずに冷静に)「この時、いわゆる推進派の漁船はここで漁をしてたじゃないですか。推進派は入って良くて、反対派はダメなんですか?」
裁判長  :「それは被告弁護人が改めて質問をするという形で……」
被告弁護人:「では、現場海域ではいわゆる推進派の漁船が漁をしていたのですか?」
原さん  :「そうです。」
 
 証拠写真を選んで質問するのも時間がかかるし、中電代理人は本当に写真に写っていないことも、当時の詳しいいきさつも知っているのかな?と、思うシーンが多々ありました。
 このあとも、反対派にケガ人が出るような危険な作業を中止してほしいと抗議したという原さんに対して、中電代理人は、「そもそも船に近づかなければ危険ではないのでは?」などと苦し紛れの質問をし、傍聴人から失笑を買いました。400人の作業員が反対派の不意をつくように午前2時に出動し、力づくで杭を打ったり反対派を排除したこと、危険な状況が予想されたのに海上保安庁も警察も中電職員すら不在だった日があったこともわかりました。
 
◆ これは原発に反対する自由と権利を育んでいる裁判
 裁判終了後、場所を移した報告集会では被告弁護団の皆さんが良い裁判だったと感想を述べられ、力が出ました。個人の自由意志で行った小さな非暴力の抗議活動は無力に見えます。でもそれがいかに粘り強く作用するのか実感できます。会場から「中電側は2人の代理人しかいなかったが、これが普通なのですか?」と質問がありました。「これが普通です。」と弁護士さんは答えましたが、よく考えてみると、自分が訴えておきながら代理人に任せておくなんて???原告が大きな会社や国なのだから当然…今まで自分もそんなふうに錯覚してきました。まさにそこに、この裁判の本当の意味があるのでしょう。訴えられた側が勝っても負けても苦しみ、訴えた側は苦労もせずにお金を払って代理人に任せ 、どんな結果が出ても抗議を封じ込める脅しになるのですから。こんな訴訟はもうたくさんです。当たり前を取り払って、目のウロコを落としながら、今後も注目していきます。
 
◆ 次回もいいね!裁判傍聴バスツアー!
 次回7月1日(水)は祝島漁師の橋本さんと三原の岡田さんの本人尋問です。今日以上に大勢の傍聴人と一緒に、このSLAPP=嫌がらせ裁判の行方をしかと見守りたいと思います。それまでにも、裁判長にお手紙を書いたり、マスコミに伝えたり、できる事を何でもやって行きたいと思います。米軍基地に抗議した個人を国が訴えたSLAPP裁判では、すでに賠償命令が出ていますが、非暴力の抗議行動に対して、企業や国が巨額の賠償金を請求するSLAPP裁判を二度と起こさせないよう、みんなで力を合わせて頑張りましょう。

清水さん・原さん、中電側の誘導尋問を見事に退けるSLAPP裁判傍聴バスツアー

 6月10日(水)、中国電力SLAPP裁判傍聴バスツアーに参加してきました。山口県上関町に中国電力が上関原発を建設しようとし、これに現地 で抗議をした祝島島民の清水敏保さんと橋本久男さん、カヤッカーの原康司さんと岡田和樹さ んの計4人が4800万円の損害賠償を請求されて訴えられた「嫌がらせ裁判」の傍聴です。
 裁判はすでに4年半続いていますが、これまでずっと中国電力側の書類の不備を指摘するこ とに時間が費やされてきました。今回ようやく、「被告」にさせられた4人のうち、清水さんと原さ んの本人尋問が行われることに。尾道の「フクシマから考える一歩の会」が傍聴を呼びかけ、 大型バスを借り切って現地に向かいました。
 バスには三原に住む岡田和樹さん本人も乗り込み、裁判のポイントや中国電力の主張の問 題点などを指摘。またツアー参加者からも、「初めて参加できてよかった」「瀬戸内法は簡単に 埋立工事を許したりしない。まだ原発建設の認可が下りていない段階で、原発目的の埋立を許 可するという山口県の対応はおかしい」など、感想や意見を述べ合いながら、一路、山口へ向かいました。
 山口市に到着した一向は、まず山口県庁前集会を開催。上関原発埋立工事の許可を出し、 中国電力の筆頭株主でもある山口県は、原発問題のまさに当事者です。ここで、沖縄から戻っ てきたばかりの詩人のアーサー・ビナードさんが登場し、「沖縄は辺野古の問題では県民と県 知事が一体になって国を追求している。上関原発の問題でも、山口県が国を追求するぐらいに なってほしい。山口県知事は悔い改めて、世界に誇れる山口県にしてください」と県知事に 「エール」を送りました。
 続いて山口地方裁判所に到着し、門前でのアピールの後、傍聴券をもらうための抽選手続に 整列。傍聴席40席あまりを、傍聴希望者196人が「争奪」するということで、珍しく駐車場に並ば され、抽選権を引きました。
裁判は3時間以上の長丁場となりました。清水さん、原さんとも、訴えられている2009年11月5 日~11日の一週間に起きた出来事について、事細かに質問が繰り返されました。
 中電側弁護士は、清水さん、原さんがあたかも組織的に妨害行為を行ったのではないか、と いうことを執拗に追及。「ブログに原さんの連絡先が書いてある」「橋本さんと原さんが同じ船に 乗っているではないか」などと、まるで組織犯罪を立証するかのようにしつこく尋問を行いまし た。しかし2人とも、あくまで個人の自発的意志で行った非暴力の抗議活動であると強調し、中 電側の誘導尋問を退けました。
 また中電側は、「(工事区域の周辺の航行は)じゅうぶん注意してください」という掲示物を見 せて、「周辺を注意して航行せよということは、工事区域は入るな、という意味では?」と質問し ました。これに対し原さんは「入るな、という意味にはならないし、公有水面なので誰でも入る権 利がある」と回答。中電側がさらに「入ってはダメというのが日本語として当然の認識では?」と 強引に質問をかぶせると、原さんは逆に「では、どうして推進派の漁民は工事区域で自由に漁 業をしていたのか」と切り替えしました。現地の状況を全く知らない中電側の弁護士は、不意を 突かれて動揺。その後も「カヤックが近づいたから危険になる。近づかなければよかったので は」などと、陳腐な質問を繰り返しました。


 裁判が終わって、裁判所前での報告アピールの後、場所を移して報告集会が開催されまし た。原さんは「初めてで緊張したが、いい経験になった」と述べましたが、原さんの弁護人質問 を行った丸山弁護士から「堂々としていて、緊張しているようには見えなかった」と言われていました。また清水さんが「裁判に勝って、祝島で祝杯をあげよう」と言うと、会場から大きな歓声が 上がりました。
 アーサーさんは、「カヤックが近づいたから危険になった、という理屈は、『おまえが道を歩い ていたから交通事故に遭ったのだ。だから、歩いていたお前が悪い』と言っているようなもの。こんな理屈が通ったら、道も歩けなくなる」と指摘し、「みんながやるべきことは、この裁判を広め ること」と訴えました。
 

 私は今回の傍聴を通して、つくづくこの裁判の理不尽さを思い知りました。訴えられた4人をはじめ、祝島島民や現地に駆け付けた人々は、瀬戸内の海を守りたい、原発建設を止めたい、という「やむにやまれぬ思い」で抗議を行いました。そのおかげで原発はいまだ建つことはなく、 原発事故のような取り返しつのつかないような事態が起きずに済んだのです。しかし裁判で は、彼らが海を守り、原発建設を止めた意義についてはほとんど触れられず、わずか一週間の ミクロな出来事をひたすら論うばかりなのです。それでも、この裁判には勝たなければいけません。私たちが自由に意見を言う権利を守るため、そしてこの海を守りきるため、私たちは勝たな ければいけないのです。
 次回期日は7月1日(水)。「一歩の会」が再びバスツアーを計画しています。重くなりがちな裁 判ですが、このバスツアーは道中、語ったり、歌ったり、野菜や手作りジャムを買ったりしながらの楽しい旅です。みんなで楽しく裁判を傍聴し、このおかしな裁判をやめさせ、上関原発の建設 を止めましょう!

7/1 上関スラップ訴訟 傍聴レポート

                   (2015・7・1)
 ●裁判傍聴なごやかバスツアー
 初めて上関スラップ訴訟の裁判傍聴バスツアーに参加しました。
 今回は祝島の漁師、橋本さんと、三原の岡田君の本人尋問があり、広島・尾道から過去最高の100人余りの参加。岡田君が途中まで広島発便に乗ってくれて、今の状況と裁判の経過を説明してくれました。
 前日は寝れなかったそうですが、いつもと変わらない穏やかな語り口に、彼が巻き込まれている裁判の理不尽さを改めて感じました。この頃には、心配された雨もあがり、きれいな青空が見えていました。車内では参加者の自己紹介があり皆さんの熱気が伝わる中、ジュリーの曲をもじった「ハイロにしやがれ」も飛び出し、益々の盛り上がりを見せました。
 途中、岡田君が中電の作業員から暴行を受けている場面のビデオが上映され、3人くらいの作業員から羽交い絞めにされて「やめてくれー」と叫んでいる様子がはっきりと見て取れました。無感情に力で押さえつけている様子には、怖れと怒りを感じました。

一路、山口県庁に到着。とても立派な本庁前で何人かがマイクで思いを語りました。
・「祝島の漁師さんが34年守ってきてくれたおかげで、自分たちは(海や自然の)豊かさを満喫しながらの恵まれた戦い。5年半前、自分は何をしていたのか?今ここにいる人数が上関にいれば、4人は訴えられなかったかもしれない。」
・「山口県民の多くも反対運動の皆さんに感謝の思いを持っている。」
・「被告の4人の方たちの為ではなくて、自分の課題で(ここにいる人たちは)集まっている。必ず勝たなくてはいけない裁判。」
・「いつまでこういうことをしなくてはいけないのか。1人1人の自発的・自立的な行動が大きなうねりになって外からの風・内からの風を起こしてゆく。」
 それぞれの思いのたけが胸に響き、この時点で応援団のパワーに圧倒され、私たちは無力ではないと感じました。


●いざ傍聴席へ、橋本さんへの本人尋問
 そしていよいよ山口地裁へ。
広島からのツアーの中で8人ほどしか当たらない中、レポート担当ということで本人尋問を傍聴させていただきました。
ひしひしと責任を感じながら入った法廷では、真ん中に女性の裁判長、両脇に1人ずつの裁判官がこちらに向いて、少し高いところに座っていました。
 生年月日・住所など確認し、橋本さんと岡田君が一緒に(虚偽の答えをしないなどの)宣誓書を読み上げた後、橋本さんへの尋問が始まりました。
 最初の被告弁護人からの質問に、家業の漁師を継ぐために島に戻り、田ノ浦周辺で年間の半分くらい漁をやっていたと答えた橋本さん。年の半分以上漁場にしている友人漁師もいて、その漁場がなくなれば自分たちにとって死活問題だと訴えました。語り口はとても素朴で穏やか、誠実さがにじみ出るものでした。

 福井県の原発関連施設で働いた経験があること、配管の修理の仕事をやっていたが、毎日アラームが鳴り危険を感じたので3週間でやめたこと、上関の原発の計画が上がったとき祝島では大問題になり、島民に原発の危険性を語ったこと、生態系が変わり漁業への影響が大きいため、漁師のほとんどが反対して補償金を拒否してきたこと。
 平成21年の海底での工事の時に、島から自分の船に乗って抗議したのは自分の判断で、「祝島の人はいつも自分の都合と自分の判断で行動してきた。」とはっきりと伝えました。
 そして「作業妨害の事実はない。事情を説明してもらおうと思った。ハマチやタイの好漁場なので心配で様子を見ていた。」と。それを聞きながら、橋本さんやほかの漁師さんにとって、船で近づいた行動は、大事なものを守ろうとするときの、本当に自然な本能的な行動なのだと感じました。親が子どもを守ろうとするときに抱きしめるような。それをわかってほしいと思いました。
 さらに、岡田君が羽交い絞めにされているときに、暴力をやめるよう抗議したことなどを説明した後に、補足はと聞かれ、「(原発は)安全性に問題がある。豊かな田ノ浦の海を残し、漁師として環境のよい海で仕事をしたい。」と答えられました。

 ここで質問者が原告側の弁護士に変わりましたが、最初から橋本さんを疑うような物言いなので、驚きました。島には橋本さんを大工だという人がいること(実際は漁師と大工の兼業)、出荷先や漁業権のことをいろいろ尋ねて、あげくに「漁業について知識がないのでは」という言葉が出たので、傍聴席は騒然とし、「人を馬鹿にする質問をするな!」「おかしいじゃないか!」という声が上がりました。この時点でその弁護士から「撤回します」という言葉が出ました。

 質問は手元の傍聴資料集の中の写真を指しながらが多く、それがあちこち飛んで、追うのが大変な時もありました。最後に左側の裁判官が具体的に写真を指して、何をしているかを問いました。「(作業について)何の説明もないので、支障がないよう10メートルくらい離れたところに近づいて、説明を求めた。」と答える橋本さんにさらに、「そこに近づいて話しかけること自体、支障だと思わなかったか?」と追い打ちをかけましたが、「危険な作業をやめればこういったことはしない。何をしているか問うのは妨害ではなく抗議です。」と答え、ほぼ橋本さんの尋問が終わりました。(このあともう1つ質問。自筆メモからレポートを起こしている為、やや言い回しが違うことがあるかもしれません。)


●続いて岡田君、貫く平和な姿勢
 休憩を挟んで、岡田君の本人尋問が始まりました。
橋本さんの時の事例を踏まえて、裁判長から「きちんと記録を取るために、傍聴席から言わないように」と念押しがありました。岡田君は「瀬戸内海は自分の生まれ故郷であり、本当に大切な場所」であることを最初に述べ、ハチの干潟の反対運動の話をして「手つかずの自然が失われれば、命も生態系も絶対に元には戻らない」と、落ち着いて明瞭に、大事なことを話されました。
 そして上関の原発の話が出た時に興味を持って田ノ浦に行ったら、透明度が15メートルもあり、もぐるとスナメリもいるような、とても豊かな海だったこと、ここで事故があれば県を越えて影響があり、ハチの干潟にも影響が及ぶと感じたことをまず伝えました。

 そこで「上関原発を考えるヒロシマ20代の会」を呼びかけ、2009年から活動を始めたこと、「リーダーがいる抗議活動だったか」と問われ、「ぼくたちは自分の意志で集まって、自分の大切なものを守ろうとしていた。」とはっきりと言いました。いつしか「虹のカヤック隊」と言われるようになったと。「組織立ってやっていたのか」という質問に対しては「組織立ってやっていたわけではない。計画が分からないので、組織立ってやっていない」と答え、いかに中電が説明責任を果たしていないかを、暗に伝えていました。さらに「誰かと分担したか」という問いに、「(行動は)1人1人の意志。分担していない。工事があるのではと思った人が、思うところに行く。」と答えたことは、前の言葉を裏付けたものでした。近づいた方に問題があるという原告の言い分に対して、「祝島の漁場として何十年も続いてきたところ。安全策を取っていなかったのは、中電の方。コンクリを落としたり、振り回したりといった、命にかかわる危険行為をしていた。工事自体も時間以外にも推し進めた。」ときっぱりと証言しました。

 暴行を受けた台船付近では、「台船から竹竿で押したり引いたりされ、危険だった。水に入って立ち泳ぎし、警戒船の船べりに乗ったら捕まえられそうになったので再び飛び込み、カヤックに乗ったところ、ワイヤを振り回されてしがみついた。そこを4人の作業員に無理やり引き離されて、引きずり上げられた。」と詳細を語り、「すごく鮮明に覚えています。」と言葉を加えました。立っている状態から2人に押し倒されて、両手両足を抑え込まれ、首がしまり、「苦しい」と言うと緩められたこと、3、4分後、終わった、という声で解放され、漁船に乗り込んで搬送されたこと、その後肺炎と頸椎捻挫になり、相手の暴力行為を告訴したが、不起訴になったこと。暴行を受けている間に作業が進んでいて、実際に暴力を受けた自分(の告訴)は不起訴になり、逆に4800万円の訴訟になってしまったこと。本当に悔しく苦しい経験を最後まで冷静に語った岡田君。ここで改めて「阻止行動は正しいものだった。正当で非暴力の抗議行動であった。妨害と言われることはおかしい。」と声を上げました。

 その後、原告代理人から前述の状況をなぞるような、さらに細かい質問等がありましたが、岡田君は辛抱強く、分かりやすく答えていました。
最後に、オイルフェンスを張って作業中に入れない状況を作る策を中電は取れるはずだったという岡田君に、裁判長が「その時はどうしたか」と問うたところ、「カヤックで近くまで行って声を上げる。」そして「抗議というのは自分たちの声を届ける行為。署名活動では何も声が伝わらなかったから。」と見事に一貫したまっすぐな態度を示しました。その思いがどうか届くようにと願いました。
 東京から駆けつけた吉本芸人で、ジャーナリストの活動をするおしどりマコさんケンさんも、後ろの座席で、熱心に裁判の記録を取ったりイラストを書いたりされていました。その後、裁判所側の呼びかけで弁護団との非公開の協議があり、なにか新しい動きが予感されました。


●いよいよ最終局面、希望を持って
 最後まで冷静に誠実に闘い抜いた橋本さんと岡田君。
約3時間に及んだこの裁判を傍聴して、人間の美しいところと醜いところを、両方見たような気がしました。人をおとしめ揚げ足を取ったり暴力をふるうのも、大切なものを守るため一貫して誠実で真摯そのものであることも、同じ血も涙もある人間のすること。そして相手の血と涙に、お二人の思いは届き、裁判長から「中電の現場で判断した担当者を法廷に呼びたい。本当に損害を与えたかを知りたい。」という言葉を引き出したのです。報告会でそれを伝える弁護団の言葉に、部屋いっぱい満員の参加者の誰もが、希望を感じた瞬間でした。

 帰りのバスでは応援団長のアーサー・ビナードさんが「岡田君はカヤック戦法で中電を転覆させ、海の生き物としてとおしている本当の平和主義を発揮した。」と話されました。三原の牧師さんからは「29回の苦しい時を経て、堂々としたフィナーレを迎えることができる」と感無量の言葉がありました。
 次回の裁判の予定は11月4日。その時までに応援の輪が、さざめく波のように更に広がり、そして青い海につながる大きな波になるよう、私達も力を集めていきましょう。

岡田さんの証人尋問の傍聴

 岡田さんの証人尋問を傍聴させていただきましたので報告します。 法廷の雰囲気 ・裁判長は被告を正面から見下ろす感じ。  

 書類に目を落としている時間も多い。両脇に一人ずつ裁判官が座っている。幼稚園の制服のような服で黒色。 ・中国電力代理人側は前に2人、後ろに1人。質問者は前列手前、座っているときはアゴ に手を当てたりペンで頭をかいたり、立っているときは手を後ろに組んでニヤニヤしたり、 腕を前に組んで睨み付けたりということも。通常は自分の机で質問するが机の前に出ることも。


・被告側は前列に5名の弁護士、後列に4人と末席に3人の被告。和樹さん担当弁護士は 終始、自分の机から質問。別の弁護士が書類を見せる為に弁護士前列の末席から和樹さん の証人席と行ったり来たり、書類は主に写真、台船や警戒線、カヤックの配置図もあり。 書類のファイルは碁盤のケースほどのサイズで大きい。

・傍聴席は前半はメモを取っている人が多かった。弁護士も被告もよく話す。早口なので 大変。
 最初に裁判所側より 被告の申請で行われている証人尋問であり、被告の話をしっかり聞きたい。 記録もしっかり取りたいので静かに聞いて欲しいとのお願いがあり。 (裁判所側も傍聴席が被告側の人たちで埋まっていることを認識してくれているようです。)
 

 被告和樹さんの生まれや育ち、そして八の干潟の話から始まりました。 上関原発建設予定地の田ノ浦の海岸は海の透明度が15m。 瀬戸内海は3mくらいのところが多いんです。 田ノ浦で潜ると魚の壁が見れます。 (海好き和樹さんの視点です。こういう話をするときは生々している。) スナメリクジラが今でも見れる。 (ぼくも今の瀬戸田サンセットビーチ沖で子どもの頃よく見てました。イルカのような動物) 放射能や温排水の影響は80km離れ、県境を越えた広島にも影響が及ぶ。

  そこで「上関原発を考える20代の会」を作った。 2009年9月タナ埠頭から抗議活動を始めた。 タナ埠頭では車で泊まったり、テントに泊まったり。 食事は手弁当。 誰が呼び始めたのか、虹のカヤック隊と呼ばれるようになった。 それぞれの意思で集まってそれぞれが大切なものを守るために行動していた。 中国電力作業員が陸上で測量していたのを妨害していたという写真について 作業が終わって休憩しているところに工事のことを聞きに行った。 話を聞いた後、その人たちは引き上げた。


※工事の妨害はしていない。 (その後、和樹さんが中国電力作業船に引き上げられて暴行されるまでの詳細を説明。) 和樹さんは中国電力台船付近で横転したカヤックを助けるために駆けつけた。 (11月の海に落ちたのなら早く助けた方がいい。) 推進派の漁船も竹竿で船が近づき過ぎないよう協力してくれた。 そのときに船を安定させるためにワイヤーにつかまった。 下に人がいても構わずに頭上でクレーンを旋回。 ワイヤーにつかまっているカヤッカーがいても構わずにクレーンを旋回させたことに抗議してワイヤーを掴んだ。

  ここは祝島の漁師さんの漁場。 そこにいるのは当たり前。 中国電力は安全対策を怠っていた。 安全基準を守っていなかった。 工事も日の出から日没前までとの約束を破って日の出前に工事を始めたりしていた。 そんな行為にも抗議をしていた。

  ーーーー暴行された台船付近での行動の話 (写真の説明) 台船と警戒線に挟まれブイで前後の出口をふさがれ閉じ込められたカヤックのところに行っ て抗議していた。 ※台船前方では作業は続いていた。 ・・・ 台船と警戒船に挟まれて複雑な波になっていた。 竹竿で押したり引いたりされ不安定になり自分から海に入った。 声が聞こえたので様子を見るために警戒船に上がった。 (別のカヤックが転覆したりしていないか心配だった)                    捕まりそうになったので再び海に入った。 (服を掴まれた)

  カヤックにもどりコンクリートブロックのワイヤーにつかまった。 (カヤックが不安定な状態) ※ワイヤーにつかまっていたのは10秒くらい。 すぐに中電作業員に引き剥がされた。 引き剥がされるときにもみ合いになり、顔が海面のしたに沈んだりしたのでそのときに海 水を飲んだ。(肺炎の疑い→肺炎に) 警戒船の上で仰向けに倒され2名により押さえつけられた。 首に腕が入っていて息ができにくく苦しいと言ったら、少し緩めてくれた。 ※コンクリートブロックを落としてワイヤーが引き上げられてから拘束が解かれた。「終わった終わった」との声が聞こえた。

  拘束されていた時間は3-5分。 4人の作業員により押さえつけられていた。 その後、祝島の漁船で運ばれ救急車で搬送された。


 低体温症、肺炎の疑い、頚椎・・→その後、肺炎と診断された。 暴力を行いながら作業を続けたことを その映像や医師の診断書もつけて出した刑事告訴が不起訴になり、逆に4800万円を請 求する裁判が始まった。中国電力の訴状には誤りが多くあり、めちゃくちゃな根拠で訴え ている。やりきれない思いです。

  ーー中国電力の工事に対する妨害行為ではなかった。(妨害←→抗議) 命や故郷や生活を守るために、本当に大切なものを守るために抗議をしてきました。それ に対して中国電力は誠実な返答をすることもなく安全策をとることもなく危険な工事を進めていった。それに対して防衛的な抗議をおこない、田ノ浦の場所を後世に残したいと強 くおもった。

 3.11以降も上関原発の計画を進めようとしていますが、祝島の人たちがやってきた行動は正当なものだったと思う。私は人を傷つけたり暴行したりしたことは一 切ありません。 質問をしたり正当で平穏な非暴力の抗議をおこなってきた。 妨害や不法な行為だというのはおかしいと思います。 そのことを是非知ってもらいたい。 ※カヤックで行っても工事は止まらなかった。 気持ちを中電作業員に伝えていた。   


ーーーーーーーーーーーーここから中国電力代理人の質問 (和樹さんは原告代理人に対しても誠実で素直な回答をされていたという感想です。 とても細かい部分での質問が多くて、何を意図して聞いているのか読み取れない感じでし た。) (何月何日何時にどこにいたかという質問が続く。)

 

 和樹:2009年11月7日海上にカヤックが6-7台いた。

 和樹:カヤックは数カ所に分かれてそれぞれで行動していて工事の進捗状況を聞いたり抗 議をしていたんだと思います。 (写真を見ながら。)  

 原告:台船と推進側の漁船の間にわざわざ入り込んでいる。これは間違いないですね。

 和樹:わざわざ入ったのは助ける為で、(先に入っていた)黄色いカヤックに工事の状況 などを聞いていた。

 原告:そのカヤックが転覆した。

  和樹:そうです。

  原告:作業している横で転覆すると危ないですよね。

 和樹:そうですね、どこで転覆しても危ないんですけど、台船や作業船が狭まって潰され ることもあるので危ないと思います。警戒船の漁師さんも救助の協力の為に竹竿で空間を 作ってくださっていたんだと思います。

 原告:別にひっくり返そうとしているわけではなくて、空間を作ってくれているわけです ね。

  和樹:この時点ではそうですね。 (別の写真を見て)

  原告:ワイヤーにつかまっているのはあなたですね。
 和樹:はい。

 原告:ワイヤーにつかまるというのは危ないとわかっていますよね。

 和樹:このワイヤーは設置を終了しているのでワイヤーは動いていないです。転覆したカヤッカーも居て手直に持つものもなかったのでワイヤーをつかむしかな かった。

 原告:警戒船は船が近づかないようにしていたのでそれをぬって入ってきましたよね。間違いないですね。

 和樹:この時点ではブイでブロックをしていなかったので入れた。次の日は発泡スチロー ルのブイでカヤックは入れなくなった。

  原告:推進派の漁船や中国電力の作業船は入って欲しくないからそういう作業をしたのは 間違いないですよね。

 和樹:だと思います。 (別の写真を見て)

 原告:ワイヤーにつかまってますがこれは転覆をさける為ではなく工事をとめるために掴 んだんですよね。間違いないですね。

 和樹:そうです。(原告が話そうとするにかぶせて)下に人がいるのにコンクリートブロッ クを落としたんです。危ないということでそこにいたカヤッカーがワイヤーを掴んだんです。そのカヤックも掴んでいたワイヤーが旋回して転覆するという事態になりました。

  ※原告:先ほど面白いことを言われたんですがカヤッカーや反対派の船がいない状態で作 業すればとおっしゃいましたが、カヤックや橋本さんの漁船は自然に入ってきたわけではないですよね。故意に、自分の目的をもってここに入ってきた。

 和樹:そうですね。

  原告:もともと無理やり入ってこなければ作業できるスペースだった。入ってきたのは危険だった。これで間違いないですね。

 和樹:クレーン船については作業の安全を確保するのが優先なんだと思います。抗議をし ていたカヤックのいるところにコンクリートブロックを落とすこと事態が危険なことでは ないかと抗議をしていました。
(11/8の配置図を見て説明、資料が手元に無くわかりにくい。)

  原告:ワイヤーにつかまった、足をかけた。間違いないですね。コンクリートブロックを 上下している場所ですよね。あなたが手で掴んでるだけ、足でつかまっているだけでも危険ですけど、さらに服であるとかが、引っかかって水中に落ちてしまった、これも危険だとわかりますね。

  和樹:はい。

 原告:ワイヤーから引き離そうとした中国電力側の行為は危険を避ける行為ではないですか?

 和樹:そうだと思うんですが、いきすぎた行動だと思います。そもそも下に人がいる状態 でコンクリートブロックを設置する行為だとか、私が暴行を受けて拘束されている状態で 工事を進めていくという状況はあきらかにやりすぎだと思います。
 原告:それは後で聞きます。船の作業員があなたを吊り上げた。これは間違いないと思い ます。 その後、押さえられている状態がありましたね。ご証言ではその間に作業が進んでいるの が不当であるというご趣旨ですか?

 和樹:そういう状況で工事が進められていたということです。

 原告:コンクリートブロックを海に沈める途中で止めるということは安定していない状況 ですよね。

 和樹:安定させるのであれば作業そのものをやる必要はない。

 原告:空中にコンクリートブロックを止めておくより海の中に下ろしてしまった方が安定 した状況ではないですか?違いますか?

 和樹:コンクリートブロックを設置するだけでなくワイヤーを上げるところまで私は拘束されていたのでそうは言えないんじゃないかなと思います。

  原告:手を離したらワイヤーのところに行きませんでしたか?

 和樹:それはわからないです。

 原告:再度ワイヤーを掴まれることを想定して手を押さえていたことは間違ってますか?

 和樹:コンクリートブロックを頭上に持ってこられたので抗議のためにワイヤーを持ったわけで、その後、ワイヤーが上がっている状況ではワイヤーを掴みにいくことは無かったと思います。

 原告:実際に作業が終わったら、手を離されましたね。

 和樹:はい。
 裁判長:もうそろそろ時間です。そちらの方(被告側)で補足は無いですか?

 被告側:無いです。
 裁判官(左):シーカヤックの乗り方の指導というのは原さんがしていた。指導が必要な 初心者はどれくらいいましたか?

  和樹:はっきりはわからないが、半分くらいはいた。

  裁判官(左):どれくらい指導すれば乗れるようになるのか?

 和樹:人にもよるがその場で乗れるようになる人もいるし、だいたいは1日で乗れるようになる。

  裁判官(左):台船のそばなど危険なところに初心者が近づかないような配慮はしていま せんでしたか?

  和樹:初心者の人には近くに一緒にいるなどの配慮はあった。
 裁判官(右):暴行の8日の行動で推進派の漁船から2回引きずりあげられようとした記 載がありますが、そこは今日訂正されましたね。

 和樹:1回目は自ら上がった。声がしたので状況を確かめるために推進派の漁船に上がった。

  裁判官(右):もう一度聞きますが何のために上がりましたか?

 和樹:私が居た反対側で声がしたのでそれを確認するために上がりました。 海にいる状態では何も見えない。

 裁判官(右):その後、海に降りられたのはどうしてですか?

 和樹:推進派の漁師に服を掴まれて危険を感じて振り払って飛び込んだ。

 裁判官(右):その後カヤックに乗られましたか?

 和樹:はい。

 裁判官(右):もう一度カヤックから降りられましたね。それはどうしてですか?

  和樹:波と竹竿でつつかれたりで転覆の可能性があった。

  裁判官(右):ワイヤーに掴まって、こんどは引きずり上げられた。こういう話でしたか ね。それ以外は訂正するところはないですか?

 和樹:無いと思います。
 裁判長:本来危険の無い状態で作業をするべきだとおっしゃいました。みなさんが抗議す るために集まっている状態で人がいなくなる状態は作れたんですか? (これを和樹さんに聞くのはどうなんでしょう?抗議している相手に助言するようなもの ですよね。)

  和樹:それはその後中国電力がオイルフェンスを貼って抗議船がまったく近ずけないとい う状況があったんですが、そうすれば立ち寄ることはできないですし、警察や海上保安庁 に依頼して排除する依頼をすれば中国電力は対策をとれたと思います。 ※そもそも30年反対が続いているので工事が遅れることは想定できた。 ※その安全策をとることには中電に責任があると思います。

 裁判長:そうすると入れないくらいの準備をして工事を始めれば良かった。ということですね。

  和樹:そう思います。

  裁判長:入れないくらいの準備を中国電力がしていた場合にはあなたたちは抗議をしなかったということですか?

 和樹:できるかたちでしようと思います。

 裁判長:オイルフェンスを張った場合の想定される抗議活動はどういったものですか?

 和樹:海上(オイルフェンスの外)からマイクをつかって中国電力にどういう作業をするのかを聞いて、その内容によっては抗議の声を上げます。

  裁判長:それはカヤックを使うことはないということですか?

 和樹:自分自身はカヤックでしか行く手段がないので声が届くなら、そういうかたちで声を届けると思います。

 裁判長:あなたたちの目的は作業をしているひとに声を届けることが第一だったわけですよね。

  和樹:そうです。祝島の人たちは100万人署名を集めて経済産業省や中国電力に届けても、まったく声が届かなかった。工事が進む中ではその海上が唯一声を届けられる場所だった。
 裁判長:他は大丈夫ですか?・・それでは終わりましたありがとうございました。

 和樹:ありがとうございました。


感想 和樹さんの答弁に感心しました。自分だったらどうか?相手の意図が分からない質問には 疑心暗鬼になって答えられなかったかもしれません。ブロックブロックに区切ってYESを 言うよう仕向けられた質問に素直にYESと答えながら説明を加えていきました。

 本当によく頑張ったと思います。 原告の弁護士もさすが大企業に雇われた弁護士だけあって相当賢い方のようでしたが結果的に自分で穴を掘って岡田和樹を落とそうとしたけど自分が落ちてしまうという結果になりました。

 その証拠が裁判終了後に行われた非公開の進行協議で裁判長より、「4人の行動があった 為に工事が中止になったのか?そこの関連性がはっきりしない」と言い始めた、「各現場 でどんな行動がありどんな判断で工事を中止したのか?現場で判断した人間を呼んで話を 聞きたい」と言いだしたとの弁護士さんからの報告に現れています。

  中国電力側の主張に疑問を持ち始めたんですね。和樹さんの素直で芯のある言動に心を動 かされたんだと思います。 なんせ原告の弁護士は和樹さんの「人がいる状態でクレーンを動かすなど危険な作業をした」との言動に反応して、安全を確保するために和樹さんを拘束し、その間に作業を終わ らせたと言ってしまったんです。

 中国電力はとんでもない人を敵にしてしまったと思います。 次回、中国電力の人間が初めて法廷に立つことになるかもしれません。その人の力量によって、また新たな展開になるような気がします。

ホームページ作成協力

 

写真・映像提供 東条雅之 

スナメリチャンネルより

 

中国電力スラップ訴訟止めよう会

 

制作者 岡本直也(祝島在住)